「資産」や「負債」を引き継ぐ場合

■引き継ぐことができる資産・負債と引き継ぎの方法


ほとんどの資産と負債は会社に引き継ぐことができます。しかし、事務所賃借の際の敷金・保証金、コピー機のリース契約は、不動産所有者やリース会社に確認する必要があります。さらに、開業費等の繰延資産といった例外もあるので留意してください。引き継ぐ方法はいく通りかありますが、いずれの方法をとっても時価で取引することがポイントです。引き継ぎ方法は❶売買契約、❷現物出資、❸賃貸借契約の3つがあります。

 

①売買契約


個人事業者の社長より会社に対し、資産あるいは、資産と負債を売却する方法です。個人事業者の社長と会社で売買契約を締結して金銭のやりとりをします。負債を引き継ぐことは「債務の引き受け」といいます。この方法の長所は「明快でわかりやすい」ことです。逆に短所は、会社が買い取るための資金が必要であること、税金(所得税、消費税等)を考慮する必要があること、不動産の売買であれば、不動産所得税、登録免許税が会社にかかることです。

 

②現物出資


個人事業者の社長より会社に対し、金銭以外の資産あるいは、資産と負債を出資する方法です。通常、出資というと金銭を会社に払い込んで、株主になることをいいますが、出資は金銭に限定されているわけではありません。自動車等で出資することも可能です。この方法の長所は、会社の資本金が増加することです。逆に短所は、資産の内容によっては、時価を算出することが困難で税理士等の専門家にそうだんする必要があります。

 

③賃貸借契約


個人事業主の社長より会社に対し、資産を賃貸する方法です。個人事業者の社長と会社で「賃貸借契約書」を締結して、賃貸料を払うだけでいいので、明快です。会社と会社の社長は、まったく別ですから、会社と会社の社長で賃貸借契約を結んで、会社の社長は賃貸料を会社から受け取ることができます。しかし、個人事業者として賃貸していた事務所を会社に又貸しする場合には、「無断転貸」等の法的問題には十分に注意する必要があります。大家さんとの信頼関係を壊すことによるトラブル回避のため、大家さんには事前に十分に説明して、改めて法人として「賃貸借契約」を締結してもらうようにしましょう。この方法の長所は、不動産取得税や登録免許税等がかからないことです。逆に短所は、賃貸料の受け取りは所得となり、法人なりしたあとも確定申告を続けなければならないことです。さらに適正な賃貸料を設定しておかないと、適正な賃貸料と実際の賃貸料との差額を役員賞与とされます。役員賞与は費用とは認められず、法人税が課されます。

 

④資産・負債を引き継ぐ場合の具体的な注意点


♢売掛金・貸付金・買掛金

売買契約、または現物出資のいずれでも引き継ぐことができます。手続きが煩雑になるため、専門家に依頼するか、そうでなければ、個人事業として回収ないし支払いをしたほうがいいでしょう。

♢棚卸資産

売買契約または現物出資のいずれでも引き継ぎ可能です。しかし、季節はずれや棚ざらしのものは時価評価が困難なので、個人事業として販売しきるようにしましょう。

♢固定資産

自動車、工具器具等が固定資産の代表的なものといえます。これらは、売買契約、現物出資、賃貸借契約のいずれでも引き継ぐことが可能です。売買契約、現物出資の場合は、名義変更、保険の手続き等も確実に行ってください。土地、建物等は、売買契約あるいは現物出資にすると個人事業者の社長に売却益が発生したり、会社に登録免許税や不動産取得税が発生したりする場合があります。結果、土地、建物等は賃貸借契約で引き継ぐことが有だといえます。なお、賃貸借契約にて、会社から個人への賃借料の支払いが発生すると、個人は法人成りした後も家賃収入を確定申告する必要があります。

♢借入金

売買契約、現物出資のいずれでも、他の資産と一緒に引き継ぐことが可能です。あわせて、事前に金融機関等の債権者にその旨を相談し、手続きを確認しておきましょう。金融機関が了解しなければ、個人事業者として引き続き返済していくことになります。

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