‘会社経営の実務’ カテゴリー一覧


会社の就業規則の作成

2016-10-23

■就業規則

○就業規則とは何か
労働時間、賃金、休日、休暇のような労働条件等を定めて文書化した「会社のルールブック」のようなものです。
従業員が常時10名以上の事業場の場合には、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出なければなりません。

○従業員からヒアリング
就業規則が完成したら、従業員の過半数を代表する者(もしくは従業員の過半数で組織された労働組合)に意見を聞き、意見書を作成します。このとき必ずしも同意でなく、反対意見だったとしても問題ありません。

○労働基準監督署へ届け出る
監督署へ届け出るときには、「就業規則(変更)届」「従業員代表の意見書」
「就業規則」を2部用意して、事業所を管轄する労働基準監督署へ提出します。1部は受付印をもらい、会社の控えにします。

○就業規則の周知
就業規則、従業員に見せたくないと金庫にしまっている会社がありますが、就業規則は従業員に周知することが 労働基準法で義務づけられています。従業員に配布する、職場の見やすいところに置いておくなどが必要です。

■なぜ就業規則は必要か

就業規則がなく労働条件について暖昧になっている部分をその場しのぎで適当に答えたり、人によって差別的な扱いをしていると、従業員の聞に不信感が生まれます。また問題社員が入ってきてしまった場合、就業規則がないと懲戒処分をすることも難しくなります。就業規則によって、無用なトラブルを防止することが可能です。

■就業規則の作成義務がある事業場

法律上、就業規則 の作成義務があるのは10人以上の事業場ですが、10人未満の事業場も、トラブルの予防のために作成しておくことが好ましいでしょう。

会社の雇用と試用期間

2016-10-21

■試用期聞

○試用期間とは何か
面接で話を聞いただけでは、その人の能力や適性の把握は困難です。それ故に、通常は当初の一定期間を、その従業員の適性を見るための試用期間とする会社が多いです。この試用期間中の働きぶりで、正式な従業員として採用するか否かを判断します。

○期聞
法律上は、いついつまでとの規定はありません。しかし、試用期間中の会社の労働者は不安定な状態を長引かせるのは好ましくありません。通常、3〜6ヶ月、長くても1年が限度とされているようです。

■試用期間中の解雇

○特段の理由がなければ解雇はできない
試用期間中に本人の適性を判断して、本採用を拒否する場合、法律上「解雇」になります。正社員を解雇する場合に比べると、試用期間中の解雇は認められやすいようです。しかし、試用期間でも会社と従業員の労働契約は成立しているので、従業員を解雇するには正当な理由が必要です。試用期間中の本採用拒否が認められるのは、採用面接時にはわからなかった事実が試用期間中に明らかになったなどの場合です。

○解雇予告が必要になる
本採用拒否は解雇となりますので、「解雇予告」というプロセスが必須です。要するに30日前までに解雇を通知しなければならないということです。それが無理なら「解雇予告手当」といって30日分以上の平均賃金を支払はなければなりません。試用期間後に会社として本採用をしないのならば、試用期間満了の30日以上前までに解雇予告をしなければなりません。。

○雇い入れ14日以内の試用期間中
解雇予告をしなくてもいいことになっていますが、これも解雇する理由は必要になります。

○社会保険
試用期間中であっても、労災保険や雇用保険、健康保険、厚生年金保険 の各種社会保険については、それぞれの加入基準を満たしていれば雇い入 れた日から加入させなければなりません。

 

会社の労働条件

2016-10-20

■会社と従業員の雇用契約書

①絶対的明示事項
従業員の採用時、賃金や労働時間、休日などの労働条件を明示しなければなりません。従業員に必ず明示しなければいけない事項は以下の5項目です。
・労働契約の期間に関する事項 (契約期間を定める場合は、「更新の有無」と「更新の基準j の事項)

・就業の場所、従事する業務の内容

・始業および終業の時刻 、所定労働時聞を超える労働 (残業など)の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて就業させる場合(交替制の勤務)における就業時転換に関する事項

・賃金の決定、計算および支払いの方法、黄金の締め切りおよび支払いの時期ならびに昇給に関する事項

・退職に関する事項(解雇の事由を含む)
この5つを絶対的明示事項といいます。このうち昇給に関する事項以外は、必ず書面を交付して明示しなければなりません。

②会社と従業員の契約書の締結
労働基準法では「書面で明示すること」が義務づけられているだけなので、会社から一方的に「労働条件通知書」を渡すだけでも法律上は問題ありません。しかし、通常はあとになって「話が違う」などと言われないよう「雇用契約書」を作成し、労働条件を確認のうえ、労働者に承諾した旨の署名捺印をしてもらい労使双方で保管します。

会社の雇用時の手続き

2016-10-19

■雇用契約書と身元保証書

○雇用契約書とは何か
採用が決まったらまずは「雇用契約書」を締結します。労働契約を結ぶ際は労働時間、賃金、休日などの労働条件を書面にして明示しなければなりません。

○身元保証書とは何か
従業員がもしも会社に損害を与えるようなことがあった場合、その損害を担保するのが身元保証人です。ただし資金の借り入れなどの際の連帯保証人とは違います。実際に会社に損害があったとしても身元保証人にすべての損害を賠償させるものではありません。金銭的な保証よりも、両親や親戚などに保証人になってもらうことで、本人の職務遂行への自覚を促すことが主たる目的です。
身元保証の期間は、期間を定めない場合には3年、期間を定めた場合でも最大で5年とされています。再度身元保証書を提出してもらうことで保証期間を更新することはできますが、5年も経てばその人がどういう人かはわかるので、通常は特に更新はしません。

■雇用保険の手続き

○被保険者資格取得届
会社に雇用された従業員が「週所定労働時間20時間以上」の契約であれば、雇用保険に加入します。「雇用保険 被保険者資格取得届」を入社日の翌月10日までに、所轄のハローワークに提出して手続きをします。

■社会保険の手続き

①被保険者資格取得眉
会社と従業員が「週所定労働時間30時間以上」の契約を締結した際には、社会保険にも加入する必要があります。本人から年金手帳を提出してもらい、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」に基礎年金番号や給与の月額などを記入して、所轄の年金事務所に提出します。

②基礎年金書号が不明なら
年金手帳を紛失して基礎年金番号がわからない場合には、国民年金の納付書や領収書にも書いてあるので確認してもらうようにします。

③被扶養者がいる場合
会社の従業員に扶養する家族がいる場合には「健康保険被扶養者(異動)届」を一緒に提出します。配偶者を扶養している場合は、配偶者の基礎年金番号を確認して、「国民年金第3号被保険者該当届」も同時に提出します。

会社のハローワーク利用

2016-10-18

■ハローワークを利用した求人方法

○最初はハローワークヘ行く
まずは会社の住所地を管轄するハローワークに行きます。はじめて求人を出す場合には事業所登録が必要です。直接出向いて登録をしましょう。2 回目以降はインターネットやFAXでも可能です。

○事業所登録と求人票の出し方
ハローワークでは「事業所登録シート」と「求人申込書」を記入します。事業所登録シートには会社の特長や事業の内容などを、求人申込書には仕 事の内容、雇用形態、給与などの労働条件を記入します。記入事項が多いのですが、求職者は求人票をよく見ているので、もれなく記入するようにします。この2つの書類を整えたら窓口に提出し、受理されると早ければ翌日には全国のハローワークで、求人票が公開されます。

○ハローワークから紹介の連絡があったら
希望者がいた場合にはハローワークから会社に電話がかかってきます。その際は、履歴書や職務経歴書などを送ってもらうようにします。書類選考後、面 接をしたい応募者には直接、連絡をして面接の日程を決めましょう。面接後、採否を決めたら、結果をハローワ=クに連絡します(FAXで可)。

■助成金がもらえるか否か

若年者、中高年者、障害者など、就職が困難な人を会社が雇用するとと助成金がもらえる場合があります。ハローワークの窓口で助成金の相談もできるので、 該当するかどうか相談してみましょう 。ただし助成金によっては雇う前に手続きをしておく必要があるので、留意してください。

会社での雇用の前に雇用保険

2016-10-17

■雇用保険

○雇用保険とは何か
雇用保険とは、労働者が会社を退職するなどして、失業したときに生活保障となる失業等給付のほか、育児や介護をするために休業するときなどにも給付を受けられる保険です。失業等給付が主たるもので、通常は、「失業保険」と呼ばれています。

○従業員を雇用したら必須
会社をつくって従業員を一人でも雇用する場合には、その業種や事業規模にかかわらず必ず加入します。

○雇用保険の被保険者
通常、従業員は、本人の意思にかかわらず雇用保険に加入しなければなりません。

○事業主や役員
雇用保険には、労災保険のように特別加入のような制度はないので、事業主や会社の役員は原則加入することができません。ただし、役員であっても通常の労働者と同じように働いている場合には、雇用保険に加入できる場合があります。事業主はいかなる場合にも加入することはできません。

○加入手続きの方法
会社、事業所の住所を管轄するハローワークに、「雇用保険 適用事業所設置届」を提出します。

■助成金の財源は雇用保険料

○雇用保険の加入が助成金受給の要件
雇用保険は、失業等給付などの給付のほかに、事業主に対する助成金の支給や労働者の職業訓練などの事業も行っています。雇用保険から支給される助成金は、雇用保険料が財源となっているので、これらの助成金を受けるには雇用保険に加入していることが最低条件となります。

会社の労働保険

2016-10-16

■労働保険

○労働保険とは何か
国が運営している保険を一般に社会保険といいますが、詳細には、「健康保険・介護保険・厚生年金保険=社会保険」「労働者災害補償保険・雇用保険=労働保険」と区別されます。

■労災保険

○労災保険とは何か
労働者災害補償保険は、会社・個人事業主の従業員が勤務中、通勤途中にケガや病気、もしくは死亡した場合に被災した従業員やその遺族に対して保険給付を行うものです。

○雇用したら必ず加入
会社でも個人事業主でも、従業員を雇用したら必ず加入しなければなりません。従業員とは正社員、パートタイマ一、アルバイトなど雇用形態に関係なく、たとえ1日だけの契約で雇っている従業員でも業務災害(通勤災害)が発生すれば保険給付を受ける資格があります。保険料は全額事業主負担ですが、社会保険と比べるとかなり低額の保険料で加入することができます。

○事業主や役員
社会保険と違い、労災保険は特別加入をしないかぎり事業主や会社役員は加入することができません。

○加入手続の方法
従業員ごとに加入するのではなく、会社として加入します。事業所の住所を管轄する労働基準監督署に、「労働保険 保険関係成立届」「労働保険 概算保険料申告書」を提出します。

○未加入期聞に労災
事業主の故意、過失などで労災保険加入の手続きをしておらず、その段階で労災事故が発生してしまった場合でも、労働基準監督署に労災保険の給付を請求することは可能です。しかし、このような場合には、さかのぼって保険料を徴収され、また保険給付にかかった費用を徴収されるなど、事業主は重いペナルティがを受けます。これを回避するためにも、従業員を雇ったら、労災保険は最優先で加入するようにしましょう。

会社の経営セーフティ共済

2016-10-15

■経営セーフティ共済

○経営セーフティ共済とは何か
会社の取引先の倒産に帰因して中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることをふせぐための共済制度です。中小企業倒産防止共済法に依拠して、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。また、掛金が法人税法上の損金(経費)もしくは所得税法の必要経費になります。

○共済金の貸しつけが受けられる
会社の取引先事業者の倒産の際には、無担保、無保証人で最高8,000万円まで共済金の貸し付けを受けられます。
また、取引先事業者の倒産の事態が発生していなくても、一時貸付制度を利用することで、解約手当金の範囲内で臨時に必要な会社の事業資金の貸しつけが受けられます。

○12カ月以上の払い込みで、解約手当金が出る
任意解約の場合、払込期間が12カ月以上あれば減額はされますが、最低80%の解約手当金が出ます。40カ月以上払い込めば満額となります。

■加入手続き

加入手続きは会社が会員となっている商工会、商工会議所、中小企業団体中央会、中小企業の組合などの委託団体、または現に融資取引のある金融機関の本支店の窓口で行います。手続きの詳細は、それぞれの窓口で確認をしましょう。

会社の小規模企業共済

2016-10-14

■小規模企業共済

○小規模企業共済とは何か
小規模企業の個人事業主や会社の役員の退職時、それまで積み立ててきた掛金を受け取れるのが小規模共済制度です。小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。掛金は会社ではなく個人負担となり、所得税、住民税が安くなります。

○掛金は所得控除の対象
掛金は全額、所得税の所得控除になります。たとえば、生命保険に年間50万円支払っていても、所得控除は最大5万円ですが小規模企業共済に50万円支払っていたら50万円全額が所得控除になります。

○受け取り方法は「退職金」か「年金」
共済金を受け取る方法は、退職金として一括で受け取るか、年金として分割で受け取るかが選択可能です。退職金として受け取ると、給与に比べてとても少ない所得税ですみ、また年金として受け取っても、年金の課税は給与に比べて優遇されているのでお得です。

○小規模企業共済の加入資格とは
加入資格は以下の通りです。
①建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業、娯楽業にかぎる)、不動産業、農業などを富む場合は、常時使用する従業員数が20名以下の個人事業主または会社の役員
②商業(卸売業 、小売業)、サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員数が5人以下の個人事業主または会社の役員
③事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員数が20名以下の協同組合の役員
④常時使用する従業員数が20名以下であって、農業の経営を主として行っている農業組合法人の役員
⑤常時使用する従業員数が5人以下の弁護士法人、税理士法人などの士業法人の社員
⑥上記①、②に該当する個人事業主が富む事業の経宮に携わる共同経富者(個人事業主1人につき2人まで)

■掛金は選べる

掛金は月々1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に設定可能です。また掛金月額は500円単位で、7万円まで増額していく こともできます。また次のいずれかの理由により、掛金の納付の継続が困難であると認められた場合にかぎって、1,000円まで減額できます。
・事業経営の著しい悪化
・疾病または負傷
・危急の費用の支出
・売上の減少、支出の増加などにより、事業経営の著しい悪化 が見込まれる とき
掛金の納付は、月々預金口座振替です。また掛金の払い込み方法 は「月払い」「半年払い」「年払い」で選択可能です。掛金は前納でき、一定割合の前納減額金が受け取れます。

会社からの借金

2016-10-13

■会社からの借金は利息が必要

○社長も利息を払うのか
会社というのは営利を追求する団体なので、会社の利益にならない行為はできません。それ故に、社長も利息なしで借金はできません。無利息で貸しつけると、その利息分は役員に対する給与や賞与として所得税の課税対象になります。ただし、合理的な理由があれば無利息でも課税されません。

○貸付利率
貸付利率は年に1.8%となっています。
ただし、会社に金融機関などからの借入金がある場合、その借入金から役員に貸しつけた場合には、その借入金と同じ利率にしてかまいません。

■会社への貸付金の利息

○会社から利息はどうなるのか
役員が会社にお金を貸した場合、その利息を取るか否かは自由です。もし利息をもらった場合には、原則として雑所得として所得税の確定申告が必要になります。通常は、資金不足の対応として、役員から借入れをするので、利息を払うことはあまりありません。

○利率の決め方
原則的には自由に決めてかまいませんが、金利があまりにも高すぎる場合には役員に対する給与または賞与とみなされます。

■社長から借入れの精算

売上が入金されるまでに支払う経費のためなど、短期的な資金繰りのために借りたお金であればすぐに返済しましょう。その都度返済して、借入金自体をなるべく早く返すようにするのがいいでしょう。

○債権を放棄
多くの場合、社長から借りたお金を早急に返済することは難しいです。このまま置いておいても借入金という借金が増えるばかりなので、社長が
「債権放棄」するという選択肢があります。ただし、債権放棄した分は会社の利益となるので、その期の損失や過去の赤字の繰越(繰越欠損金)が 債権放棄した金額よりも多くないと法人税がかかってしまいます。

○役員報酬を減額して返済
決算後に役員報酬の改定を行い、役員報酬自体を下げます。下げたその分で借入金の返済を行います。ただし、借入金の返済は経費にならないの で、役員報酬を下げた分だけ会社の利益が増えることになります。

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